フォーレ

【フォーレについて】
ガブリエル・フォーレ(Gabriel Fauré 1845-1924)は、近代フランス音楽の巨匠として知られます。長命であったことにより、フランクとその弟子達の時代から、ドビュッシー等の印象派を通り過ぎ、ミヨー、オネゲル等「フランス6人組」が活動を開始するまでの、長い間フランス近代音楽を見続けて来た事になります。
その間、フォーレ自身の音楽の基本的傾向は殆ど変わらず、非常に抑制的でかつ抒情的な曲を書き続け、独自の境地を保ちました。彼は、基本的には歌曲作曲家であって、最も若い頃から晩年に至るまで、多くの美しい歌曲を書き続けました。30才を越えてから、フォーレは器楽作品にも手を伸ばしますが、この歌曲作法が彼の作品の根底にあることは確かでしょう。初期の歌曲では、デリケートなピアノのアルペジオ伴奏に乗って、美しいメロディが伸びやかに歌われる、と云うのが定型となっていますが、ピアノ用の器楽作品になっても、このデリケートなアルペジオは活躍し、特色のあるサウンドを出しています。ピアノ作品に関して云うと、それぞれ13曲の「夜想曲」と「バルカローレ、6曲の「即興曲」、等々が中期以降晩年にまで、書き続けられフォーレの作品の中枢をなすものとなっています。ただ、これらは、いわゆる「サロン的」ピアノ小品ではなく、譜面上のシンプルさ以上に高い演奏技術を要します。

【無言歌 作品17-3】
フォーレのピアノ作品としては、一連の「即興曲」「舟唄」等が有名ですが、技術的になかなか難しく、初級者の手にはおえません。しかし、この「無言歌〜Romance sans Palores」程度ならば、易しく弾けて、かつフォーレの香りの一端を楽しむことができるかと思います。

曲自体はかなり若い(18歳)頃の作品で、「3つの無言歌 作品17」としてまとめられたものの中の3曲目に当たります。後の有名な組曲「ドリー」中の《子守歌》と同じ様な伴奏リズムにのって、優しい旋律が淡々と歌われています。

【シシリエンヌ】
フォーレの作品の中では、超有名曲のひとつですが、元来はチェロとピアノのために書かれた小品です。後に、劇音楽「ペレアスとメリザンド」を書くに際して、この曲をオーケストラ編曲して流用したために、オーケストラ作品として知られる事になり、フルートの旋律と云うイメージが強く焼き付いてしまっています。このオーケストラ・アレンジも弟子のC.ケックランによるもので、基本的にはフォーレの手は入っていないようです。

ピアノ編曲譜も、フォーレ自身によるものはないようで、巷に出回っている楽譜も一定してはいないようです。このサイトのピアノ譜も、チェロとピアノの譜面を参考に私が適当に編曲した物です。

【夢の後に】
良く知られた歌曲「夢の後に」(作品7-1)のピアノ編曲です。メロディが美しいので、チェロなど他の楽器でよく演奏されますが、ここでは、私が適当にピアノ・ソロ用に編曲しています。ただ、前半は伴奏と旋律の音域が錯綜するので、なかなか弾きにくいです。メロディを優先させて、伴奏の方の音を適宜省略して弾いても良いと思います。