非ピアノ曲その他

 

タンブーラン チェンバロ J.P.Rameau ナザール音栓の独奏 オルガン L.N.Clerambault
ノエル第1番 オルガン L.C.D'aquin 「メリーウィドウ」より 4手連弾 F.Lehar
オルガントリオ・ソナタ第2番 オルガン J.S.Bach P協奏曲21番第2楽章 オケ伴奏 W.A.Mozart
愛の挨拶 4手連弾 E.Elgar オリジナル曲 色々  
ハンガリー舞曲 4手連弾 J.Brahms スイスのクリスマスの歌 オルガン L.C.D'aquin
ジングルベル ジャズ風 P.Pierpont I'm a fool to want you. ジャズ J.Herron
我が母の教えたまいし歌  4手  A.Dvorak パリを離れて(椿姫)  4手  G.Verdi
カッコウ チェンバロ L.C.D'aquin Allein Gott in der Höh sei Ehr オルガン  F.W.Zachau 
Herzlich tut mich Verlangen オルガン D.Buxtehude スラブ舞曲 4手  A.Dvorak 
アルビノーニのアダージオ Org.とVln. T.Albinoni トロイメライ 右手とオケ伴 R.Schumann
ロンドンデリーの歌 右手とオケ伴 Folk Song グリーン・スリーヴス 右手とオケ伴 Folk Song
懐かしきヴァージニア 右手とオケ伴 J.Bland 夢路より 右手とオケ伴  S.C.Foster
剣闘士の入場 4手連弾 J.Fucik ”天国と地獄”より 4手連弾 Offenbach
ピアノ協奏曲23番第2楽章 2台ピアノ W.Mozart おとぎ話 4手連弾  Arensky 
優しい嘆き ピアノ J.P.Rameau  オリジナル曲     

 


【ラモー】
J.P.Rameau(1683〜1764)は、フランスの作曲家&理論家です。作曲家としての多くはオペラとクラブサン(ハープシコード)のソロ曲ですが、先輩のクープラン、ほぼ同輩のダカン、等と並んでフランスのクラブサン音楽の一人として一世を風靡した人です。彼のクラブサン曲は、3巻の「クラブサン曲集」(それぞれ1706、1724、1730年出版)及び「5つの小品」(1741)にまとめられています。

彼のもう一つの功績は和音の転回理論を確立したことで、1722年に書かれた『和声論』によって、例えばドミソの和音とミソドの和音が、同じ根音「ド」によって統一的に理解できる事を明らかにしました。ここから導かれる「根音バス」の理論は、如何にも18世紀的な(つまり合理主義的な)発想ですが、後世に多大な影響を残しました。

●タンブーラン(クラブサン曲集第1巻)
『タンブーラン』はスペインの舞曲です。文字通りタンブーラン(細長い小太鼓)を叩いて踊る、リズミカルな舞曲です。弾いてみるとよく分かりますが、ラモーの優れた部分の一つはこのリズム性にあったと思います。短調の旋律ですが、うらぶれた感じではなく情熱的に強いリズム感をもって弾きます。ピアノで弾いても良いのですが、この曲などはジャンジャンと云うハープシコードの金属的な音が向いていると思います。電子ピアノなどでハープシコード音色が出る場合は、是非それで試して下さい。

●嘆きの優しさ(クラブサン曲集第2巻)
Les tendres plaintes と云う題名をどういう風に日本語に訳すのか分かりません。「愛の嘆き」とか「恋の嘆き」と云うのも見かけます、「優しい訴え」と訳しているものもあります。リズミカルなメヌエットのような曲想で、優しい感じはしますが決してウェットな感じではありません。リズムを前面に出して弾く方が良いのではないかと思います。


【ダカン】
●ノエル第1番
Louis Claude Daquin(1694〜1772)は、クラブサン用の「カッコウ」が良く知られていますが、自身はオルガン奏者でもあったために、このようなオルガン曲も残っています。曲はフランスのクリスマスの歌(ノエル)を主題とした変奏曲ですが、品の良いさわやかな味を出しています。同じ頃のオルガン曲でも、バッハの重苦しさに比べるとフランス音楽とドイツ音楽の違いがよく分かります。

●スイスのクリスマスの歌
スイスのノエル旋律から採られた変奏曲です。大変さわやかな印象を受ける曲なのですが、この曲に限らず、GM音色ではオルガンの音が総体に重厚すぎます。もっと小さなオルガンで、薄い音色の音栓を用いる方が良いと思われます。

●カッコウ
ダカンの作品では最も良く知られたものです。16分音符で動き回る主音型の相方に、「カッコー」の鳴き声のような音型が配されていて、このためにこの名前がついたものと思われます。A-B-A-C-Aのような形で出来ていますが、B、C、の部分は、鍵盤(レジストレーション)を変えて弾くような感じで変化をつければ良いでしょう。ピアノで弾くときも、音量の変化で2段鍵盤の感じを出しましょう。


【J.S.バッハ:トリオソナタ第2番】
バッハはオルガンの名手で、存命中は作曲家としてよりも、オルガン奏者として名が知れていた程です。従って、オルガン作品は数的にも多く、ジャンル的にも多彩なものを残しています。有名な『トッカータとフーガニ短調』等は、自身の名人芸を披露するための絢爛たる演奏効果の作品ですし、逆に『オルガン小曲集』等に含まれる、コラール作品は簡素な音の組立で非常に深い表現力を示す対照的な作品です。それらの中で、6曲からなる「トリオソナタ」は特異な作品で、絢爛たる外面的な名人芸を要求する訳ではありませんが、3つの独立した声部を右手、左手、足、で完全に弾き分けなければならないと云う意味では、大変に高度な演奏技術を要求する作品です。

この曲は、6曲中、第2番に該当する作品で、天国的な第2楽章を挟んで、晩年の円熟したバッハの一糸乱れぬ対位法展開されて行きます。基本的には、これは息子の為の練習曲だと云われていますが(家の足鍵盤付チェンバロで練習した訳です)、却ってコラールなどの歌詞に束縛されず、純粋に音だけが動き回ると云う意味で、絶対音楽 の極致を示す作品となっています。


【エルガー:愛の挨拶】


ヴァイオリンやオーケストラ編曲で良く演奏される、Edward Elgar(1857〜1934)の「愛の挨拶」を4手ピアノ連弾用に編曲しました。MIDIデータはチャンネル1に第1ピアノ(高音部)、チャンネル2に第2ピアノ(低音部)を入れています。MIDI再生時にどちらかのチャンネルををミュートすることが出来れば、独りで連弾を楽しむことも可能です。


【クレランボー:ナザール音栓の独奏】
Luis=Nicholas Clerambault(1676〜1749)は、J.S.バッハより少し年上のフランス・バロックの大家です。この曲 Récit de Nazzard は、「第2旋法のミサ」に含まれています。ナザールとは音栓の名称で、「鼻音」のような感じの音色をだすストップのことです。MIDIデータはGM互換を考慮しているので、ナザールの代わりににリードオルガン音色で済ませましたが、もし電子オルガンなどでお弾きになる時は、ナザール音色を工夫して下さい。


【ハンガリー舞曲】
ブラームスは「ハンガリー舞曲」全20曲を二巻に分けて、それぞれ1869年、1880年、に出版しています。現在、管弦楽編曲でも良く知られていますが、オリジナルは4手連弾ピアノ作品で、管弦楽編曲は後に行われたものです。管弦楽編曲について云えば、ブラームス自身が編曲したのは、この第1番の他第3番、第10番、の3曲だけで、後は色々な人が編曲しています(ちなみに、第17番〜第20番はドヴォルジャックによって編曲されています)。

●第1番 イ短調
曲は、遅い部分と速い部分が交互に現れますが、この「速い部分」では、相当大きくテンポを揺らせて弾いて下さい。一般に管弦楽のような大規模合奏と異なって、数人での小規模アンサンブルはソロ演奏に負けないくらい自由な息づかい、間の取り方、が可能です。この特徴を生かして、生き生きとした「舞曲」風躍動感が出るように注意して演奏すれば、曲が自ずからを語ってくれるように思います。

※楽譜は、A4横置きでかなりサイズが大きいです(1.3MB)。

●第2番 ニ短調
第2番は、20曲の中で最も弾きやすいものの一つに入ります。曲も短いですし、繰り返しが多いですから、練習する部分も少なくて済みます。連弾で最初に取りかかる「ハンガリー舞曲」としては、最も適していると思います。


【レハール:「メリーウィドウ」より】
Franz Lehar(1870〜1948)の、おなじみオペレッタ「メリー・ウィドウ」から、適当に有名な旋律を取りだして4手連弾に編曲してあります。MIDIデータはチャンネル1に第1ピアノ(高音部)、チャンネル2に第2ピアノ(低音部)を入れています。MIDI再生時にどちらかのチャンネルををミュートすることが出来れば、独りで連弾を楽しむことが出来ます。ワルツに入ってからは、2拍目が前につんのめるウィンナ・ワルツのリズムで楽しく弾いて下さい。テンポはかなり揺らせたほうが面白いです。


【モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番】
有名なハ長調のピアノ協奏曲(K.467)の第2楽章です。若干長いですが、変に短縮することを躊躇して原曲そのままとしました。30年以上も前のスェーデン映画『美しくも短く燃え』で使われ一躍大衆化しましたので、『美しくも〜』や『エルヴィラのテーマ』などの題名で軽音楽ジャンルでも知られた曲です。技術的には平易ですので、バイエル終了程度で弾く《初めてのピアノ協奏曲》として適しているかと思います。


【モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番】
極めて美しい第23番ピアノ協奏曲の第2楽章です。つぶやくように始まるピアノソロ、それに続く弦と木管による心に浸み入るようなメロディは、(フィガロの中のバルバリーナのアリアと並んで)モーツァルトの作品の中でも1、2、を競う神秘的な美しさを持っています。

《楽譜について》
オーケストラ部分はピアノ用に編曲し、2台のピアノとしました。ただ、掲載しているオーディオ・データはDTM音源を使ってMIDIの打ち込みで演奏させています。このようなMIDIデータは互換性がないと考え、MIDIデータそのものは掲載しませんでした。


【ジングルベル】
ジングルベルの作曲は1858年と云うことですから、随分古い曲と云うことになります。今回、クリスマス前と云うことでデータを載せましたが、クリスマスが終わればどうしようかと迷っています。このHPとしては、珍しくジャズ・スタイルで演奏しました。楽譜もつけていますが、ジャズの演奏はなかなか楽譜には表せない部分が多くあります。楽譜にはとらわれないで、自由に楽しく弾いて頂くのが良いと思います。


I'm a fool to want you.
Joel Herron作曲のジャズ・バラードです。有名曲のために、F.シナトラ、D.ワシントン、L.ロンシュタットなど、多くの名演がありますが、白眉はやはりB.ホリデーの最期のアルバム(Lady in Satin)ではないかと思います。亡くなる直前に録音されたこのアルバムは、無惨に衰えた声で、最期の力をふりしぼるように歌っています。ただ、この声と、D.エリスの極めて美しい弦セクション入りのオーケストラ・アレンジが、奇妙にマッチし、いわば鬼気迫る雰囲気を漂わせていて、聴く者を魅了します。私の演奏もこのD.エリスのアレンジの一節だけを流用しています。

楽譜も付けましたが、私がリアルタイムで弾いたものを後から採譜した形ですので、譜割などは大体の感じです。譜面にこだわらずに弾いて頂くのが良いかと思います。又、ベースはベース楽器に任せるコンボ・スタイルを採っていますので、必ずMIDIをカラオケに使いながら演奏して下さい。・・以下、J.Wolfによる歌詞を載せて置きます:

I'm a fool to want you
I'm a fool to want you
To want a love that can't be true
A love that's there for others too

I'm a fool to hold you
Such a fool to hold you
To seek a kiss not mine alone
To share a kiss that devil has known

Time and time again
I said I'd leave you
Time and time again I went away
But then would come the time
When I would need you
And once again these words I had to say

Take me back, I love you
I need you
I know it's wrong, it must be wrong
But right or wrong
I can't get along
Without you


【ドヴォルジャック:我が母の教えたまいし歌】
ドヴォルジャックの歌曲集「ジプシーの歌」作品55の第4曲目にあたる曲です。ユモレスク、新世界、スラブ舞曲、などとならんで彼の作品の中でも超有名な曲です。歌のパート(を受け持つ第1ピアノ)は2/4拍子、伴奏(の第2ピアノ)は6/8拍子で書かれていますので、はじめは面食らうかも知れません。しかし、要するに6拍子は2拍子系であることを思い出せば何でもありません。ゆったりとした2拍子で捉えて下さい。このようにシンプルなメロディをピアノで「歌う」のは大変難しいことですが、アゴーギクの幅を充分とって、伴奏との息を合わせることで、かなりの域にまで表現することが出来るはずです。


【ドヴォルジャック:スラブ舞曲】
ドヴォルジャックは、最初のスラブ舞曲集8曲(作品46)を1878年に出しています。この曲集は、出版されるとすぐに大変な人気を呼び、オーケストラに編曲されて、あちこちの楽団の人気レパートリーとなりました。いわばドボルジャックの出世作とも云える曲集です。これに味を占めて、1886年に同じく8曲からなるスラブ舞曲集第2巻(作品72)が出版されました。これは、既に功成り名を遂げた大作曲家の作品として、第1集に劣らず魅力的な曲がならび、同じ様な人気を博します。スラブ舞曲集は、ブラームスが彼に紹介した出版者によって出版されており、明らかにブラームスの「ハンガリー舞曲集」を意識して作られた作品です。現在はオーケストラ編曲で演奏されることも多いですが、原曲は「ハンガリー舞曲」と同じ、4手ピアノ連弾の作品となっています。

●第10番 ホ短調作品72-2
甘美な旋律の第10番は、全16曲中最人気の曲です。多くの人がこの旋律をどこかで聞いたことがあるはずです。何度も繰り返される、この主旋律は、さすが円熟した大家の作品らしく、1回毎に微妙な和声の変化を受け、この曲のデリケートな雰囲気をいっそう盛り上げてくれます。


【ヴェルディ:『パリを離れて』〜椿姫】
ヴェルディのオペラ《椿姫》の第3幕、最後に近い部分で歌われるものです。アルフレッドはヴィオレッタの死期が近いのを知り、「パリを離れて、静かな所で養生すれば貴方の病気も治るに違いない・・」と優しく歌います。ヴィオレッタも自らの死期を悟りながら同じように歌い返します。お互いへの優しい思いやりに溢れた歌で、旋律が明るいワルツ調の故に、かえって涙をそそる場面となっています。前半がアルフレッド、後半がヴィオレッタの歌です。場面を思い浮かべながら、優しい気持ちを込めて弾いて下さい。


【ツァハウ:Allein Gott in der Höh sei Ehr】
Friedrich Wilhelm Zachau(1663-1712)は、ドイツの作曲家&オルガン奏者で、ヘンデルのオルガンの師として知られています。作品の多くはコラールのオルガン編曲(コラール前奏曲)で、この曲も有名讃美歌旋律に伴奏を付けた形式のものです。オルガンと云っても、この曲は足鍵盤なしの1段鍵盤で弾けますので、ピアノで弾くことも可能です。楽譜は易しいですから、是非弾いてみて下さい。


【ブクステフーデ:Herzlich tut mich Verlangen】
Dietrich Buxtehude(1637-1707)は、ドイツの作曲家&オルガン奏者で、パッヘルベルと並んで、バッハがオルガン分野で最も尊敬し、かつ影響を受けた人の一人です。彼が主催したクリスマス前の日曜日5週間に渡る「夕べの音楽」と呼ばれる音楽会は、若きバッハがアルンシュタットから80Kmを歩いて聴きに行った、と云われています。ブクステフーデのオルガンコラールのスタイルは、豊かな伴奏に乗って、コラール旋律が自由に分割されて歌われる、と云った、いわば「コラール幻想曲」的な仕立てのものが多く、この曲でもその流儀にのっとっています。これを生かすためには、コラール旋律は伴奏部分とは異なった鍵盤で弾かれるべきで、足鍵盤を加え、都合3段の鍵盤を持ったオルガンが必要です。


【アルビノーニ:弦楽とオルガンの為のアダージオ】
Tomaso Albinoni(1671-1750)は、ヴェネツィア生まれ、ヴェネツィア育ちの作曲家で、ヴィバルディとともにバッハが尊敬し、研究したイタリア音楽家の一人です。彼自身はヴァイオリンを弾いたようですが、演奏家としては立たず作曲家として名を残し、多くの協奏曲的作品、トリオ・ソナタ、バレーを残しています。
映画「審判」に使われて以来有名になった「弦楽とオルガンの為のアダージオ」は、1945年に、アルビノーニの研究家であるR.ジャゾットがドレスデンの図書館で最初の数小節と、通奏低音のラインだけを発見し、それを元に再構成したものです。従って、本当は作曲者はアルビノーニではなく、ジャゾットと云うべきかも知れませんが、現在ではアルビノーニの作品で通っています。皮肉なことですが、この点、マルチェロのオーボエ協奏曲とラウシュマンとの関係に良く似ています。ラウシュマンはバッハのハープシコード編曲から類推してオーボエ協奏曲を再構成しましたが、後にこれがマルチェロのオーボエ協奏曲であることが判明しまし、映画「ヴェニスの愛」に使われて以来通俗化され、マルチェロのオーボエ協奏曲ですっかり馴染んでしまっています。

《編曲について》
ソロバイオリンとオルガンの形の楽譜にしてありますが、オルガン部分は1段鍵盤ですので、ピアノで弾けます(というより、音域的に61鍵のオルガンでは弾けない。本当にオルガンで弾く場合は、2段鍵盤を使用し左手は16’にして下さい)。ヴァイオリン・パートもト音記号ですから、適当に何の楽器でも演奏できます。


トロイメライ
この曲に関しては、オリジナル・バージョンがライブラリ3にあります。説明もそちらを読んで下さい。ここでは、全くの入門者でも弾きやすいように、MIDIオーケストラの伴奏付で、右手一本で主旋律だけを弾くように編曲しました。ただ、このような曲はテンポが相当揺れますから、実際には両手で弾いた方がやさしい場合もあるのですが、逆に言えば、テンポの揺れがこんなにもあるのか、と云う良い体験にもなるかも知れません。


ロンドンデリーの歌
ロンドンデリー(旧称デリー)は北アイルランドの州都で、アイルランドに伝わる民謡であるこの曲は、いろいろな題名があるようですが、それらをひっくるめて「ロンドンデリーで歌われる歌」と云う意味で”Londonderry Air”と呼ばれています。1913年に新しく歌詞が付けられ「ダニーボーイ」と云う題名で流行歌として有名になり、それ以来ポピュラー曲としてもスタンダード的な位置を占めています。その意味では、イギリス民謡に新しく歌詞が付けられて有名になった「オーシャンゼリゼ」と好一対をなす曲です。


グリーン・スリーヴス
古くからイングランドに伝わる曲で、シェークスピアの劇にもこの題名に言及したセリフが含まれたりしています。一説によると、作曲はヘンリー8世ということで、もしもそうだとすると、ルイ13世の「アマリリス」と並んで、国王の作曲した有名曲と云うことになります。旋律は古い旋法で歌われますが、いろいろなアレンジ・バージョンがあって微妙に異なります。私の編曲では古旋法を生かしています。この曲も右手一本とMIDIオーケストラの伴奏付に編曲し、全くの入門者でもすぐに弾けるようにしました。


懐かしきヴァージニア
ヴァージニア州の州歌として知られるこの歌は、J.Bland(1854-1911)によって書かれたものです。ブランドはいわゆるミンストレル・ショーの作曲家として知られており、生涯700以上の曲を作ったといわれています。ただ、彼自身はニューヨーク生まれで、ヴァージニアとは関係なく、ワシントンでの大学時代の恋人が偶然ヴァージニア州生まれで、彼女とともにヴァージニア州に旅行した際に、この歌を作曲した(1878)とされています。聞きようによっては、なかなかロマンティックな歌で、歌詞(彼自身の作詞)は少々わざとらしさのある黒人霊歌風ではありますが、恋歌と言っても良いかと思います。


【フォスター:夢路より
S.C.Foster(1826-1864)は、世界的に知られる19世紀アメリカの数少ない作曲家として、貴重な存在です。ゴットシャルクのような大富豪の息子ではなかった為に、ヨーロッパで正式な音楽教育を受ける機会にも恵まれず、従って流行歌を書くと云う、いわゆるソング・ライターに留まりましたが、天賦の才による美しいメロディは多くの人に愛され、流行歌の枠を越え、一種スタンダード歌曲としての位置を占め現在に残っています。
「夢路より」は死の直前に書かれ、死後出版されたフォスター最期の作品です。南北戦争の影響をまともに受けたために、彼の晩年は安寧なものではありませんでしたが、この歌にはそのような苦しさは微塵も感じられず、文字通り夢見るような甘い旋律で、多くの人を魅了して来ました。


【フーチック:剣闘士の入場
J.Fucik(1872-1916)は、チェコの軍楽隊の指揮者で、生涯多くの行進曲を作曲しています。ちょうど、その環境や作品がスーザに似ていることから、ボヘミアン・スーザのニックネームがあります。
この「剣闘士の入場」は、何故かサーカスバンドにつきもので、「サーカス・マーチ」の別称でも知られます。

《楽譜について》
私が、4手連弾に適当に編曲しました。第1ピアノ(上側)のユニゾンを、片手だけにしてやると大変弾きやすくなり、☆1個か2個で充分こなせます。楽しい曲ですので、是非連弾で楽しんで下さい。MIDIデータは、チャンネル1に第1ピアノ、チャンネル2に第2ピアノが入っていますので、どちらかをミュートすれば、一人で楽しむことも出来ます。


【オッフェンバッハ:「天国と地獄」より
J.Offenbach(1819-1880)は、生涯110曲を越えるオペレッタを書き、オペレッタの王様とも呼べる、ドイツ生まれの作曲家です。活躍したのはフランスですので、名前もヤコブからフランス風のジャックに変え、姓の発音もフランス風にオッフェンバックと云うことが多いようです。余りにも有名なこの曲は、ギリシャ神話を元にしたオペレッタ「地獄のオルフェウス」の中で演奏されるものですが、フレンチ・カンカンの音楽として知られ、別称「カンカン・マーチ」とも呼ばれ、カンカン踊りの多少猥雑なイメージも重なって、思い切り軽く、賑やかな音楽になっています。なお、オッフェンバッハは最後にただ1曲正統オペラ「ホフマン物語」(有名なホフマンの舟唄が含まれる)を書きましたが、この成功は見ずになくなっています。
《楽譜について》
私が適当にギャロップの部分だけを取りだして、4手連弾に編曲したものです。速いことは速いですが、難しくはなく、楽しく弾いて下さい。この曲も、MIDIデータは、チャンネル1に第1ピアノ、チャンネル2に第2ピアノが入っていますので、どちらかをミュートすれば、一人で楽しむことも出来ます。


【アレンスキー:おとぎ話
Anton Arensky(1861-1906)は、ロシアの作曲家で、ピアニスト、指揮者でもあります。幼いときから音楽の才能を示しましたが、1879年にペテルスブルグの音楽院に入り、R.コルサコフの指導を受け、1882年に卒業してすぐ、モスクワ音楽院で教鞭をとるようになります。ここで、スクリアビン、ラフマニノフ、などを教え彼らの先生として知られています。ただ、過度の飲酒癖と賭博癖があり、体をこわして40半ばで亡くなっています。アレンスキーはピアノ協奏曲をはじめ結構多くの作品を残しましたが、すぐに忘れ去られ現在まで、「不当に」と云って良いほど軽んじられてきました。ただ、近年になって多くの彼の作品が見直され録音されたこともあって、若干、日が当たり始めたかな、という位置にいます。作風は、チャイコフスキーの影響下にあると云われますが、如何にもヨーロッパ・ロマン派の音楽で、精緻な和声は彼がプロの作曲家であることを示しています。ムソルグスキーなどロシア5人組の民族的な方向とは少し異なるわけです。ただ、逆にそのことが彼独特の個性的なスタイルの確立と云う意味では弱く、それが今まで不当に忘れられている理由の一つかと思われます。

《おとぎ話》
この曲は、作品34の子供の為の連弾曲集に含まれる、「子供向け」のピアノ作品です。国内版の楽譜でも、この曲集は発売されており、子供向けのオリジナル連弾曲集が少ない中、貴重なリソースです。


オリジナル曲】
以下は私の拙作です。ピアノ以外の音色が含まれ、MIDIでは環境によってどんな風に鳴るか予想がつかないので、楽譜とオーディオ型式での提示としているものが多いです。

●「3つの花のスケッチ」
ピアノ用に書いた3曲からなる組曲です。《睡蓮》、《風の中のアガパンサス》、《松虫草》、の3曲から出来ています。

・《睡蓮》
モネの画か、又は、彼の庭にある池に咲く沢山の睡蓮をイメージしています。モネは死ぬまでこの睡蓮を描き続けました。その背後にどのような思いがあったかは想像するだけですが、私は、彼が若き日に薬代もなく極貧のうちに死んでいった最初の妻カミーユへの思いを感じます。

・《風の中のアガパンサス》
初夏の光と風の中で、そよぐ水色のアガパンサスです。

・《松虫草》
松虫草は山に咲きます。山の秋は早く、一瞬の夏が終わるとすぐに秋です。山の端に月が上り、群生する松虫草が月の光に照らし出された、と云うような幻想的な光景です。左手の長いトリルは難しいです。

●シチリア風ワルツ
シチリアに深い意味はありません。ウィーン風の華やかで活発なワルツではなく、幾分哀愁をおび且つ牧歌的にのどやかな、映画「ゴッド・ファーザー」の音楽の雰囲気です。

●メロディ
スパニッシュ・ギター風の伴奏にのって、ややメランコリックなメロディが3回繰り返します。メロディは後半が少しづつ異なっています。ピアノで弾くギター・サウンドも魅力的なものです。

●鎮魂歌
阪神大震災から1年ほど経って、書いた曲のテーマ部分です。ピアノと弦楽合奏の形態を採っていますが、ピアノソロ部分だけ弾いても充分演奏可能です。

※この楽譜はスコアのためにA3版の大きさです。A4で縮小印刷では、かなり小さく見にくいです。

●Melody in a
ピアノ伴奏付のチェロ曲です。よく晴れ渡った日のイメージですが、若干瞑想的でもあります。

●Melody
同じくピアノとチェロです。短いものですが、ピアノとチェロがなるべく対等になるように書いていますので、息を合わせる練習には良いかと思います。曲想はショパンのノクターン風です。