テレマン:組曲イ長調
【この曲集について】
これらの曲は元来息子フリーデマンの教育用に書かれた《フリーデマンの為のクラヴィア小曲集》に含まれていたものです。この曲集は、長男フリ−デマンが9歳になった時に書き始められたもので、バッハの息子への教育用曲集と考えられます。62曲を数えるこの《フリーデマンの〜》の中には、後の2声のインヴェンション、3声のシンフォニア、平均律曲集第1巻のプレリュード等、バッハの作品として独立して出版されたものも多く含まれますが、バッハ以外の作曲家の作品もかなり含まれています。中には誰の作曲であるのかはっきりしないものもあるのですが、この曲に関しては現在テレマンの作曲であることが判明しています。
【テレマンについて】
Georg Philipp Telemann(1681〜1767)は、ほぼバッハと同時代(バッハよりも先に生まれ、後で死んだ)のドイツの作曲家です。存命中はバッハなど比較にならないくらいの人気作曲家として名を馳せていましたが、何故か現在ではバッハの方が上位にランクされて、ちょっと気の毒な感じがします。長命と云うこともあって、実に多くの作品を残し、トリオソナタの形を採った作品は、現在でも広く愛好され演奏されています。
この2曲を弾いて感じるのは、やはりバッハに比較するとダシの効きが薄いというか、こくが足らないと云うか、幾分あっさり目の味付けです。逆にバッハは味が濃すぎて、文字通り「バロック〜歪んだ」感がしないでもありません。この辺りが、昔テレマンがもてはやされ、時代が進むにつれてバッハが受け入れられてテレマンが凋落していった原因かも知れません。しかし、この辺の評価は、「価値」と云うより「好み」の問題で(それはそれで興味深い問題ですが)、現在でもあっさり味のテレマンを好む人が沢山いるわけです。
【楽譜】
楽譜のスラー、アーティキュレーション、装飾音符、等は全て私の判断でつけてあります。従って、これを守る必要もありません、あった方が弾きやすい場合もあるかと考えて、老婆心ながら付加したものです。基本的には、これらを無視し、自分の判断で解釈して演奏なさって下さい。