|
シューマン:「狩りの歌」〜森の情景 作品82より
【質問の大意】 シューマン「森の情景」のなかの《狩りの歌》を練習中です。オクターヴに広がった和音の連続で、どうしてもミスが続出しうまく行きません。練習のポイント、コツ、などがあればお願いいたします。
この曲は、大変難しいです。左手がオクターヴ奏、右手がオクターヴに拡がった和音奏、の組み合わせはピアノで豪快なサウンドが出せますが、早弾きパッセージとは異なった、テクニック上の難しさがあるからです。 有名どころでは、リストのハンガリー狂詩曲6番の冒頭とか、同じくシューマンの幻想曲ハ長調のフィナーレなど、全て難曲です。
的確なアドヴァイスになるかどうか自信がありませんが、ご指摘のパッセージの練習の「コツ」を説明してみます。
要するに: ●鍵盤からむやみに手が跳ね上がらない。・・・ことに尽きると思います。 オクターヴ奏などは、基本的に手首で弾きますが、しかし「完全に手首だけ」で弾くわけではありません。完全に手首だけで、つまり《団扇をあおぐような》感じで弾きますと、どうしても手首の上下運動幅が大きすぎて、ミスが出やすいのです。フォルテで、かつオクターヴ奏の条件を考慮すると、どうしても鍵盤を腕でたたきつけ、ポンポンと手がはねます。きっちり弾けてしまえば、これも良いのですが、練習過程では(ご指摘のように)ミスが増えすぎて、なかなか前へ進みません。
要は、手首で弾くパッセージでも《出来る限りは指で頑張る》ことが必要かと思います。つまり、指でレガートに弾いて、どうしても弾けないところを手首で助ける、と云った弾き方です。この事を意識すれば、手首の上下動は最小限に押さえられ、結果的には素早い手首の平行移動を手に入れることが出来ます。このための練習のコツを書きます。
 黄色く塗りつぶしてあるところのような指使い(多分、このように弾いておられるかとは思いますが)を採用します。
このようにしますと、右手2の指の音が、前半ミb、後半ド、と共通する音にあたります。 練習の際には、これらの共通音を(楽譜で示したように)タイにしてしまいます。 タイにすると、手はある程度以上鍵盤から離れられません、これを利用します。 これで、非常に遅いテンポで、鍵盤上に手を滑らせるような感じで、出来るだけ「レガート」に弾きます。 レガートを耳で判断できるよう、ペダルは使わないで練習して下さい。 右手が出来れば、左手を添えます。 左手も同じで、出来るだけ指を変え、鍵盤から手が離れないように注意します。
このようにして、レガートで弾きながら徐々にテンポを上げて下さい。
上級者になると、この位のパッセージはノン・ペダルで弾けます。それほど、鍵盤の上を滑るように、素早く手が移動できるからです。 「素早く、滑るように」移動する感覚を身につけてしまえば、指使いは1と5で弾いても構いません。手に小さい人にとってはオクターヴで4や3を使うのは大変だからです。しかし、「素早く、滑るように」移動する感覚を身につけるための「練習」では、必ず上記のような指使いを採用する事が必要です。 |