ベートーヴェン:月光の曲

【質問の大意】
手が小さくて、月光の曲の途中で、指が届かないところが何カ所が出てきます。


●第1ページ3段目

基本的には、このように空いている左手で助けてやる方法が一般的です。但し、この場合左手を離さなくてはなりませんから、ペダルを踏むことが必須です。ここの部分は、同じ和音で踏みっぱなしにしても音が濁ることはありませんから、この方法が採れると思います。

●同じ箇所の、違った方法

要するに、弾けない幅の音程は、アルペジオにバラして弾いてしまう方法です。この方法は万能ですが、元の譜割を壊してしまうと云う欠点があり、それを嫌う場合には使えません。又、今の場合、バラして弾いた後、小指のシを保持するために親指でラ−シを続けてレガートに弾く、というちょっとしたテクニックが要ります。この親指を滑らせるようにしてレガートに弾くのは、大切なテクニックの一つですが、それなりに難しいです。

●第2ページ2段目

ここは、基本的に[Ex.1]と同じ、空いた左手でとるオーソドックスなテクニックですが、[Ex.1]と異なってペダルに問題が残ります。右手の和音が変わっているので、ペダルを踏み替える必要がありますが、それではタイのついた左手シ-シの音が切れてしまうからです。

もし、アコーステイック・ピアノをお使いならば次のような「ハーフ・ペダル」と云うテクニックがあります。

ペダルを離すと、ダンパーと云うフエルトが弦に接触し、弦の振動がとまります。しかし、低音弦と高音弦とでは、運動エネルギーに違いがあって(低音弦の方が大きい)、ダンパーの一瞬の接触では、高音弦の振動は止められても、低音弦の振動は止めることが出来ません。低音弦は充分フェルトを接触させてやらなければ、その振動を止めることは出来ないのです。これを利用したテクニックが「ハーフ・ペダル」と呼ばれるもので、要するに:

「踏んでいるペダルを、一瞬途中まで上げて、すぐに再度踏み込む」訳です。

こうすれば、低音弦(この場合左手のシ)の振動は止まらずに、音が残りますが、右手のアルペジオは弦の振動が止まり、踏みっぱなしの場合に起きるような「濁り」を避け、且つ、低音は持続させる事が出来るのです。

ただ、このテクニックはアコースティック・ピアノの場合に限られ、電子ピアノでは効きません。ハーフ・ペダルが可能な電子ピアノもありますが、殆どの場合、持続時間の長さを変えるだけで、アコースティック・ピアノの場合の動作とは根本的に異なります。