ショパン作曲:ノクターン嬰ハ短調(遺作)
(ライブラリ5に掲載)
|
【全般】 《練習のポイント》 ●伴奏と旋律の『テンポのバランス』(間の取り方) が最も大切で、かつ難しいところです。ショパンの、特にこのような「歌う」曲では、旋律(右手)は、伴奏(左手)に比べてかなり自由に動き、右手と左手とではかなりテンポの『ズレ』が生じます。決して、楽譜通り右手と左手が縦に一致するわけではないのです。これが、ショパン独特の「テンポ・ルバート」の表現技巧の中心をなすものです。練習のポイントとして、このことを念頭に置きましょう。 《楽譜について》 |
|
@右手パッセージ最初の音は、左手より一息遅く入ります。このようにすると、ゴツンというようなアタック感を和らげ、柔らかい感じになります。これは、ピアノのようなアタック・コントロールの出来ない楽器で、歌謡的な旋律を弾く場合に必須のテクニックです。ただし、大変微妙な問題ですから、理解するまで、参考演奏を何度も聴いて下さい。 Aトリルは、はじめから速く弾かないで、少し遅めに入って途中で速くする、と云うような表情をつけます。これらの感じも、何度も演奏を聞いてのみこんで下さい。なおこのトリルには、前打音が付いている版も存在します。 Bショパンのアクセントについては、《19〜20小節目》の奏法解説を見て下さい。 C最後の小節の左手F#音は版によっては、D#音になっている場合があります。どちらでも好きな方で弾いて下さい。 |
●19〜20小節![]() 一般に、ショパンの場合アクセント記号(>)にはテヌートの要素があり、アゴーギク上の変化が起きます。ただ、音を大きくするだけの場合はsfと書かれることが多いようです。従ってこのA音は、時間的に少し引っ張ります。この感じは、何度も演奏を聞いてのみこんで下さい。同様のケースは、曲中に多く現れています。全て、同じように考えて表現して下さい。 |
●53〜57小節![]() [appassionato](熱情的に)の所では、かなり速く激するようにテンポを上げます。そして、その後、その分をたっぷり取り返す訳です。これで、流れを曲の最後にうまく引き込む事が出来ます。この部分は、かなり意図的にデクラメーションを行った方が、曲全体のメリハリがつくように思います(私は、そうしています)。 |
|
●全体の演奏 |